「もう降参! 白旗だ!」と、降伏、降参の「まいりました」のサインを出すときに「白旗をあげる」という表現が使われます。普段はなにげなく使っている言い回しですが、よくよく考えると、
- なぜ白旗なのか?
- ほかの色の旗ではダメなのか?
などなど、由来や語源が気になりますよね。今回は、この「白旗をあげる」についての雑学です!
白旗をあげる
降参・降服・無抵抗(戦意がない)の意思を表明すること、「まいった」と相手に伝えること、を意味する慣用表現。
引用:実用日本語表現辞典
【白旗を上げるの由来・語源】白旗のルーツは、戦争の降伏宣言
「白旗をあげる」の白旗は、戦争中の降伏の表現がルーツ(由来・語源)となっています。
たいていの戦争は、言葉の通じない国同士で行われます。そこで、降伏のサインが一目で分かるようにと国際的に決められたルールが、この白旗を上げるという行為。
1907年、オランダで開かれた国際平和会議で、降伏のしるしに白旗を上げる、という戦時国際法が正式に決定されました。
軍隊に編入されている者といえども、降伏者、捕獲者に対しては、一定の権利が保障されており、これを無視して危害を加えることは戦争犯罪である。
引用:戦時国際法(Wikipedia)
降伏のサインが白い布である3つの理由
では、なぜ降伏のサインが「白い布」であったのか。赤や黒などの旗ではダメだったのか?
これには色々な説があります。
降参、降伏のサインが「白旗」である理由①
降参、降伏のサインが「白い旗」であるひとつ目の理由は、「もう負けを認めるので、自分の領土を相手色に染めてもいい」という意味。各国は国旗を所持していますが、国旗の素材となるのは白い布。この白い布を好きにしてくれ、という意味合いがあったようです。
降参、降伏のサインが「白旗」である理由②
中世のヨ-ロッパではホワイトサンデーと呼ばれていた教会の行事があって、ホワイトサンデー時はどんな戦争も、休戦になる日とされていました。ホワイト=白=休戦という意味がある、というのが2つ目の説です。
降参、降伏のサインが「白旗」である理由③
降伏のサインが白い布である理由の3つ目は、 戦場ですぐに調達できる「布」は包帯や下着など、白色の布であったため です。
白い旗があがったら「負けました」のサイン、という共通ルールこそあれ、命をかけた戦場に赴く前に、あらかじめ白旗(敗北の象徴)を用意することはさすがに難しいです。
事前に白旗は用意できませんので、白い布は現場にあるもので何とかする必要があります。戦場にある白い布といえば、包帯か兵士の下着くらいです。ケガ人に巻く包帯の色が白色であるためという意味もあり、戦闘で負傷者がでたとき、白い包帯や白い下着を掲げて、降伏宣言としました。
【参考】平安時代末期にあった「源平合戦」では、源氏が白い旗、平氏が赤い旗を掲げました。だからといって「赤旗」が白旗の対義語、というわけではないです。
「白旗をあげる」の例文・用例
- 顔良し、性格良し、運動神経良しの浅尾君が相手では勝ち目なし。白旗を振るよりほかない。
- トータルスコア33対4での敗北。絶望的な完敗を目にし、白旗を掲げる気力さえ沸かぬ。
- これ以上戦うのは不毛。戦闘の終焉を示すべく、白旗が掲げられた。
「白旗をあげる」の言い換え・類語・同じ意味のことば
「白旗をあげる」に似た言葉の一例。
- 白旗を掲げる
- 降伏する
- 投降する
- 軍門に下る
- 降伏する
- 降参する
- 投降する
- 兜を脱ぐ
※「しろはた」以外に、「しらはた」と呼ぶ場合も。
「白旗をあげる」の漢字は「上げる?」「揚げる?」
「あげる」を漢字で書くときは、「上げる」も「掲げる」も使われます。
上にあげるから「上げる」と使う場合もあれば、旗なので「掲げる」と表記する場合もあります。
以上、降伏するときの「白旗」についての雑学でした!機会があったら、話のネタにしてみてくださいね。